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大唐松山 [登山]

南アルプス白根三山・農鳥岳から東に派生して奈良田の開運トンネルに高度を落とす尾根の最高点・大唐松山に登ってきました。

国土地理院「日本の山岳標高1003山」の一山・大唐松山、登山道がなくネットで検索すると藪山マニアが登っている記録がヒットしますが、ほとんどが山中幕営1泊しています。腰に不安があったので重荷を背負うのを嫌って日帰りに切り替えて13時間をかけて往復してきました。

今年は残雪の大佐飛山・ネコブ山、夏の黒岩山・北穂池・猫又山など登山道無き山や藪の被さる山を登ってきましたが、大唐松山はそれらのすべての山々を超越する渋い山ではありました。

二等三角点の大唐松山山頂
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樹林に阻まれてあまり展望がない樹間に間ノ岳
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お盆休みに白根三山縦走時に見た大唐松山
農鳥岳直下から派生した尾根の突起
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前日夕方に奈良田の広河原行バス停のある駐車場に車を着けると10数台の車が停車していました。お盆休みにここにテントを張った時には数台しか停まっていなかったので「長雨の続くこの時期にこんなにも山に入っているのか」と驚きでした。バス停の駐車場から300mほど戻った公共駐車場に車を停めて車中泊です。

この時点ではまだ山中幕営するか、日帰りにするか迷っていましたが、2日目の天気も怪しくなったので、日帰り登山を決断しました。

少々暑苦しく寝苦しい夜を過ごしましたが、翌朝4:30には駐車場を出て開運トンネルに向かい、トンネル手前を大門沢の林道に入って100m先の駐車スペースに車を停めました。お盆休みに農鳥岳から大門沢を下った時にここに車を停められることが分かっていたからです。まあこれで30分は短縮できたというものです。

駐車スペースには三重ナンバーのミニバンが停まっていて「どこに登っているのだろうか」と思うのでありました。

新月に近い月を見ながら日帰りのデイパックに食料・飲料水などしっかり詰めて、すぐ先の山ノ神の祠に向かう頃には夜も明け、5:10の出発です。

入山口になる山ノ神の祠(盆休みに農鳥岳から下山時撮影)
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headlampを点しながら山ノ神から奥に入って行き、しばし道探しをしましたが、発電所の鉄管路の巡視道に出ることができました。巡視道は滑落防止の単管パイプの手摺がついていて暗くても安心して歩くことができました。巡視道を30分ほど歩き明るくなってきたのでヘッドランプを消すころになると鉄管路の中間にかかる横断橋です。

画像はお借りしました
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さらに鉄管路脇に付いた巡視道を歩いて導水管の最上部の施設に着きました。
(下山時撮影大きなすずめ蜂の古い巣があった)
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そのすぐ上が送電鉄塔で、ここまでが安心して歩くことができました。
(画像拝借)
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送電鉄塔下で腹ごしらえして、やおら樹林帯に入り尾根に取り付きます。尾根には何のためかはしらないが、パンザーマストが立ち電線ケーブルが架設されていてよい目安になります。しかし一気の急登が続き息のつく間もないほどで、下を見ると滑落の危険を感じ恐怖を覚えるほどです。こういうところは登りは良いが下りが心配になるというものです。私は藪山登山時にはいつも鎌を持って登ります。藪刈り用だけでなく、急坂を上るときに地面に刃を差して滑り止めにもなるからです。今回も鎌の効用は大きかったです。

画像からは急登が伝わらないのが残念です。
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(注)
下山時に標高1300m付近から黄色いテープに導かれた下った道は鉄塔の左側に下り着いた。鉄塔から左に入る作業道を伝いトラバース気味に高度を上げて行く林業関係者が使うと思う作業道があった。

急登は高度差200mほど続いていて汗を絞られましたが何とか登りきりました。電線ケーブルも急登の途中でなくなっていたので下山時の道迷いが心配になるほどでした。標高1300m付近からは勾配も緩み樹林帯の尾根を快適に登って行きます。登山道ではないですがしっかりした踏み跡と時々現れるテープが救いです。

1524mの標高点に来ると一安心です。大きく北西側に曲がりますがしっかりとした踏み跡が続いていました。緩い尾根道を歩いて再び急登を凌げば1704m標高点です。そしてまた傾斜の増した尾根道を登りあげると、大唐松山への中間点ともいえる雨池山三角点に着きました。ここまで入山口から3時間30分の行程で予定通りです。汗を拭いながら行動食を摂り一休みです。

雨池山三角点
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雨池山からは少し高度を下げて登りかえすと1943mの標高点でここが雨池山の最高点ということでしょう。この辺りはテント場にうってつけの場所が随所にありました。1943m標高点から先はひざ丈の笹原になりけもの道が千路に乱れていて迷いやすいところですが、傾斜に従って高度を上げて行くとやがて小尾根に出ます。

膝丈の笹原が続く
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小尾根に出ると顕著な踏み跡がある
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緩く快適な踏み跡を追うとやがて前方が開けて2346m標高点に着きました。前方に花崗岩の白い峰が見えます。鳳凰山の地蔵岳のオベリスクが特定できました。

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2346m地点から西に向かって鞍部に下ります。ようやく前方に大唐松山が見えてきました。
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2回ほど小さなアップダウンを繰り返し大唐松山に近づいてゆきますが、すでに11時を回っていて、「12時まで前進して山頂に届かなければ撤退」と決めていたので気が気ではありません。最後の大唐松山は標高差250mの登りが待っているからです。どう考えてもあと1時間はかかると思うと焦りが出てきました。

大唐松山の最後の登りに差し掛かり鎌とステッキを置いて必死に岩稜帯の急登に取り付きました。

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疲れと焦りですぐに息が上がり足が上がりません。
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最後は被さるような岩場を強引に登りきってようやく大唐松山三角点に登り着きました。
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雨池山から標高差は700mほどでしたが、なんと3時間半もかかって12:20の到着です。やはり腰痛による疲れがあったのだなと思うのでした。

大唐松山三角点の先に最高点がありますが、ここまでで時間も体力・気力もギリギリでいっぱいいっぱいです。肩で息をしながら腰を下ろして大休止です。パンとおにぎりを食べてお腹を満たしました。

山頂は樹林に囲まれてあまり良い展望ではありません。

樹間に間ノ岳が見えます。
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眼前の農鳥岳にはガスが掛かってしまいました。
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樹木に取り付けられた山頂標識も字が消えていました。
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難関大唐松山を踏んだ感動は大きかったですが、標高差1700mを下ることを考えるとゆっくりとはしていられません。20分ほど滞頂の後、往路を下りました。
山頂直下の岩場はシラビソ林に入って幹につかまりながら下り、尾根に戻って慎重に下って行きます。鎌とステッキを回収して2346m標高点には50分ほどで下り着きました。そこからは「100m高度を下げるのに15分」を見て下ります。
順調に下って雨池山付近の笹原に来て一度道を見失い15分ほどロスしましたが、何とか1943m標高点に戻り、雨池山には15:30の到着です。苔の穴にデポしておいたペットボトルの水がうまかったな~。
この先1000mの高度を下げるには2時間半、何とか明るいうちに送電鉄塔に下りたいと思うのでした。
時間との勝負になり少々急ぎ足で下り、1350m地点まで下ると前方に黒い生き物がゆっくりと歩いているのが目に入りました。「熊だ!」と足を止め、できればカメラに収めたいと思ったのですが、緊張しました。しばらく様子を伺うと2頭の子熊が親熊の後ろでじゃれ合っています。「これはまずい親子連れの熊は危険だ」と身構えますが、やりようがありません。大きく咳払いして熊よけの鈴を鳴らしました。しかし熊さん逃げようともしません。横目使いに恐る恐るその場を離れて逃げ下りました。「熊さん追いかけてくるなよ~」と熊さんを敬称付でした。

熊の恐怖から逃れることができましたが、道を失ってしまったようです。暫し樹林の中にテープを探すと、運よく樹木に30センチほど黄色いテープが下がり、導いているのが分かり、まさに渡りに船の思いです。
テープのある樹木に下るとその先にしっかりテープが見えます。あの登りに滑落の危険を感じた電線ケーブルの急坂下りを避けて導いていました。それでも急斜面をトラバースする所は登山靴の幅ほどしかない道が続き肝を冷やしました。「何とか安全地帯に下り着いたな」と思うと、目の前に送電鉄塔が現れました。「これは林業関係者の作業道であったのでは」と思うのでありました。
熊の恐怖に続く緊張感で汗びっしょりかいていました。

鉄塔下に着いたのは17時20分です。まだまだ十分明るいうちに下り着いて一安心です。肩で息をしながら残ったリンゴをかじりポカリスエットと水を流し込みました。

鉄管路の巡視道を手すりにつかまりながら下り、樹林帯に入ってheadlampを点して山ノ神には18時前に下り着いたのであります。朝止まっていた三重ナンバーの車はありません。
暗くなった林道で素裸になり汗をぬぐって着替えをして生気を取り戻しました。

今年一番の難関大唐松山登頂を果たして大満足の内に奈良田を後にして身延町に下り、スーパーで夕食を買って道の駅に車を着けてビールで乾杯し日本酒をあおってあっという間に爆睡状態に陥りました。

「行動時間」
山行日 2016年9月27日
大門沢山ノ神入山口5:10~送電鉄塔5:50~1542m標高点7:20~雨池山8:40/8:50~2346m標高点11:15~大唐松山12:15/12:40~雨池山15:30~送電鉄塔17:20~山ノ神17:55


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コメント 4

mama

よくぞ ご無事で。
クマに襲われなくてよかったし、遭難も紙一重です。

ミニバンの方もどんな人なんでしょうね。
デポしておいた水のところにももどれない可能性あったんでしょう?

斧持参なんですか?踏みあとないってことですよね・!

by mama (2016-10-01 11:20) 

kamoshika-nagai

>mamaさん
御心配いただきありがとうございます。
山行記には熊の恐怖を書きましたが、実際はそれほど恐怖感はなかったです。
むしろ熊さんをカメラに収めたい衝動の方が強かったです。
カメラを出そうとしたら子熊がじゃれ合っているのを見て危険を感じました。
子連れの薫は怖いということを聞いていましたからね(*´ω`)
昨年北海道で水切れでひどい目にあい、水をデポするということを覚えました。
藪山に入るときは刃の小さな草刈り鎌持って入ります。
藪刈りや(良くないことですが)木の幹にナタ目を付けることもできます。
単独行ですから何かあったら遭難死ですね(*´ω`)
今年はこれで難山巡りは終了です。
これからは紅葉の里山巡りですが熊さんさと山の方が多いかもしれませんね。
by kamoshika-nagai (2016-10-01 12:54) 

山子路爺

何が辛いと言って、ヤブコギ程辛いものは……
それを好んでやると言う人もいるらしいですね。
私はとてもとても……。

by 山子路爺 (2016-10-01 15:08) 

kamoshika-nagai

>山子路爺さん
藪漕ぎ好んでやるほどのマニアではありませんが、目標達成のために已む無くというケースが多いですね。
沢屋さんは大概最後は藪漕ぎして稜線に出て登山道に合流というケースが多いようです。
藪山と云っても最初から最後までということではなく山頂直下とか一部が多いですね。
三角点のある山頂なら踏み跡程度は期待できます。
by kamoshika-nagai (2016-10-03 08:37) 

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